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保健管理センターからのお知らせ

Tobacco or Health ! 「たばこと健康」

喫煙と動脈硬化

日本での国民の死亡原因第一位は悪性新生物 (癌など) ですが、第二位、第三位は心疾患と脳血管疾患で、いずれも動脈硬化が大きく関係しています。動脈硬 化は血管の壁の中にLDLと呼ばれるコレステロールが沈着することが原因の一つですが、喫煙はこのLDLを変性させ沈着を促進します。喫煙により総コレス テロールとLDLコレステロールが増加し、逆に動脈硬化を予防する作用をもつHDLコレステロールが低下することが知られています。さらに喫煙により血液 中の一酸化炭素が増加するとヘモグロビン (血色素) と結合して一酸化ヘモグロビンが増えます。この一酸化ヘモグロビンは動脈の内側を覆っている内皮細胞を 傷つけ、動脈硬化斑と呼ばれる血管の狭くなった部分をつくり血栓の原因となります。血栓は動脈の血流をせき止め心筋梗塞や脳硬塞の原因となります。

このように動脈硬化は命を脅かす疾患の原因ですが、動脈硬化を促進するさまざまな要因のうち喫煙、高血圧、高脂血症などは生活習慣を改めること によりリスクを軽減することのできるものです。毎日喫煙する人は、喫煙しない人に比べて平均して約5年早く死亡することが分かっています。禁煙の決断は今です。

喫煙と肺癌

喫煙、なかでも紙巻き煙草の喫煙が肺癌、口腔癌、喉頭癌、膀胱癌など種々の癌の原因であることは、数々の疫学的研究や動物実験で明らかにされている。

煙草の煙の中には多種類の有害物質が含まれており、DNAを傷つけて癌を発生されるイニシエーターとして作用するN-ニトロサミン、ヒドラジン、ベンゾピレン、ベンツアントラセンや、発生した癌の発育を促進するプロモーターとして作用するポリフェノール、さらに発癌促進作用を示すホルムアルデヒド、一酸化炭素などが知られています。

これらの物質の直接の発癌作用に加えて、煙草の煙に含まれる物質による活性酸素の発生が癌を発生させるという説も支持されています。

喫煙と肺癌の関係では、一日の喫煙本数が増加すると肺癌死亡率が増加することが明らかにされています。

非喫煙者を1.0とした喫煙者の肺癌の相対危険度 (かかりやすさ) は、肺癌の種類にもよりますが、平均して約3ないし4です。

煙草の煙を深く吸い込む人はふかすだけの人に比べて肺癌死亡率が高く、フィルターなし煙草、高タール高ニコチン煙草は肺癌死亡リスクを増加させることも知られています。

さらに喫煙開始年令が低いほど肺癌死亡リスクが大きいという報告もなされている。 しかし、禁煙すれば肺癌の相対危険度は次第に減少し10-15年でほぼ1に近づきます。喫煙量の少ない人ほどその期間は短くてすみます。

このように肺癌と喫煙の因果関係は様々な角度から明らかにされていますが、一方で肺癌の原因は喫煙のみではなく、すべての喫煙者が肺癌になるとは限らないということもまた事実です。

しかし、これらの事実があるからといって、肺癌と喫煙の因果関係を否定することもまたできません。

戦後、成人の喫煙者率は横ばいかむしろ減少しているのに対し、成人一人当りの年間煙草消費本数は飛躍的に増加しました。

それと平行して肺癌死亡率も飛躍的に増加しています。

おおまかに言って、人の発癌に関与している因子の約1/3は食物であり、他の1/3は煙草です。

煙草を吸わないことは、この1/3の危険を回避することを意味するのです。

今こそ禁煙を!

喫煙による健康の害を知っているのに、煙草を止められないという人が多いようです。

煙草は肺癌をはじめとするいろいろな疾患の原因となります。英国では1960年代から禁煙に対する社会的な取り組みが始められ、その後 10~15年を経て肺癌の死亡率が若年者から順次減少し始めました。一方、日本では肺癌は増え続けて胃癌の死亡率を抜き、悪性疾患による死亡原因の第一位を占めるようになりました。

煙草は肺癌のほか喉頭癌、咽頭癌、口腔癌、食道癌、膀胱癌、膵臓癌、肝臓癌、胃癌、脳腫瘍、悪性リンパ腫、甲状腺癌、大腸癌、胆管癌、直腸癌、副鼻腔癌、白血病、腎臓癌においてそのリスクを増加させます。 また、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、慢性気管支炎、気管支喘息、肺気腫などの肺の疾患の原因となったり、これらの病気を悪化させることが明らかになっています。

さらに煙草は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因となったり、バージャー病などの動脈の疾患や糖尿病の合併症である網膜症、腎症を悪化させます。0歳から3歳までの小児喘息は家族による家庭内の喫煙が原因の一つであるともいわれています。 煙草に含まれるニコチンと一酸化炭素による胎児の低酸素状態が早産、流産や出生体重の低下を引き起こします。これから産まれてくる子供たちを守るためにも、煙草を吸わないことが重要です。煙草はあなた自身の健康を損なう ばかりでなく、その煙を吸い込むことにより周囲の人たちにも害を与えます。煙草は老化を早め、命の危険を伴います。

でも、・・・あなたは煙草を吸われますか?

今こそ、煙草を止めてみませんか?

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禁煙を実行するために・・・ あなたに合った方法を考えて・・・

愛煙家のみなさんも一度は禁煙を考えたことがあるのではないでしょうか。煙草の害は医学的にも証明されていますし、社会的にも公共の場での禁煙が進められています。しかし、単に思いつきで禁煙をしても長続きしないようです。 禁煙には強い意志をもって臨むことが大切です。それには煙草の害について具体的な知識をもつことが大きな助けになるでしょう。禁煙を成功させるためには、一気にやめることが大事です。本数を少しずつ減らす方法ではうまくいかないことが多いようです。 煙草には依存性があり、長年の喫煙習慣を止めることは決して簡単ではありません。次のような禁煙のためのヒントを利用し、自分で工夫してみられてはいかがでしょう。禁煙の成功をお祈り致します。

吸いたい気持ちを紛らわす方法のヒント  (日医ニュース905号より抜粋)

  1. 喫煙と結びついている行動を変えよう
    • 食べ過ぎない
    • 脂っこいものを避ける
    • 食後はすぐ食卓を離れる
    • コーヒーや酒類を控える
    • 宴会を避ける
    • ストレス、過労、夜更かしを避ける
  2. 禁煙しやすい環境づくりをしよう
    • たばこ、ライター、灰皿などを処分する
    • 吸いたくなる場所 (パチンコ、喫茶店など) を避ける
    • たばこが吸えない場所 (映画館、図書館など) を利用する
  3. 吸いたくなったらかわりの行動をしよう
    • 深呼吸をする
    • 砂糖不使用ガムや干し昆布を噛む
    • 手の寂しさを紛らわす (趣味、手仕事など) をする
    • 水、フルーツジュース、牛乳を飲む
    • 果物をよくとる

あなたの煙草への依存度は・・・?

煙草に対する依存度を測定する試みの一つに、ファガストローム依存度指数があります。

下の表の質問に答えて得点の合計を出して下さい。6点以上ならば煙草への高度の依存、4-5点なら中等度の依存、4点以下なら軽度の依存と判定されます。

さて、あなたの煙草への依存度は・・・?

次の8項目の質問に対する回答に○印を付け、該当する得点の合計を算出して下さい。

ファガストローム依存度指数 Q&A

合計得点 回 答 得 点
1. 起床して何分後に喫煙しますか 1.30分以内
2.30分以降
1
0
2. 喫煙が禁じられている場所、例えば列車内、図書館、映画館などで
禁煙することが甚だ困難に感じますか
1.はい
2.いいえ
1
0
3. どの種のたばこを止めるのに最も未練が残りますか 1.朝一番のたばこ
2.その他
1
0
4. 一日に何本喫煙しますか 1.15本以下
2.16本から25本
3. 26本以上
0
1
2
5. 午前中の方が他の時間帯よりも頻繁に喫煙しますか 1.はい
2.いいえ
1
0
6. 病気でほとんど一日寝ている時でも喫煙しますか 1.はい
2.いいえ
1
0
7. 通常喫煙しているたばこのニコチン含有量は次のいずれですか 1.0.9mg以下
2.1.0~1.2mg
3.1.3mg以上
0
1
2
8. 肺喫煙しますか 1.全然しない
2.時々行う
3.常に行う
0
1
2
合計得点

6点以上:高度の依存 4点以上:中程度の依存 4点以下:軽度の依存

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