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エイズで苦しむ人々への理解と支援のシンボル・・・“レッドリボン”をご存知ですか?


レッドリボン

12月1日は国際エイズデー。世界保健機関 (WHO) と国連エイズ合同計画 (UNAIDS) の報告では、世界のエイズウイルス (HIV) 感染者は5,000万人に達し、その内すでに1,600万人以上が死亡したとされてます。日本におきましても、10月末現在4,747人のHIV感染者と2,165人のエイズ患者の届け出があり、1,149人の方が既に亡くなっています[厚生省エイズ動向委員会報告]。中でも近畿圏は、関東・甲信越圏、東海圏とともに症例数で上位にランクされ、2府4県で297人のHIV感染者と127人のエイズ患者が報告されました。HIV感染者は、エイズを発症するまでの5~15年間、全く無症状で経過するため、本人も周囲も気付かないことが多く、実際の感染者数はこれらの約5倍に上ると推計されています。

当初ホモセクシュアルの人々が患う特殊な病気と考えられていたエイズは、その後の研究によって血液・精液・膣分泌液・母乳を主な感染源とするウイルス感染症であることが判明し、統計上も新たなHIV感染者の多くは異性間・同性間の性的接触によって発生しています。一方、治療に関する研究も進歩し、いくつかの逆転写酵素阻害剤やプロテアーゼ阻害剤といった薬の併用により、エイズの発症を遅らせたり症状を和らげたりすることができるようになってきました。こうしたことから、エイズは必ずしも不治の病ではなくなりつつあり、現代は HIV感染者やエイズ患者とともに生きる時代になってきているとも申せます。

HIVには罹らないのが一番ですが、罹ってしまったら他にうつさない、社会としてもHIV感染者やエイズ患者を差別しないという姿勢が望まれます。差別や偏見は、HIV感染者やエイズ患者の人権を侵害するのみならず、感染の可能性のある人々をも含めて「検査を受けない、検査結果を知らせない、予防措置を取らない」等といった逃避的行動に追い込む元となり、結果として社会における感染の拡大を招くからです。保健管理センターにおける健康相談 (「からだの健康相談」、「こころの健康相談」) にも、エイズに関する相談が寄せられるようになってきました。性行動の活発な時期にある大学生を預かる私達にとって、エイズは決して遠い存在ではなさそうです。

最近、保健管理センターのスタッフが小さな赤いリボン (レッドリボン) を胸に着けているのに気付かれた方もおられることでしょう。レッドリボンは、1980年代にニューヨークの演劇・音楽関係者がエイズでなくなった人々を追悼したり、エイズで苦しんでいる人々への理解と支援を表すために身に付けたのが始まりで、今では「レッドリボン運動」として多くの人々の共感を呼び世界に広まってきています。HIV感染者やエイズ患者に対する理解はエイズに関する正しい知識から・・・保健管理センターでは今年も新入生全員に「HIV感染症ハンドブック'99」をお渡しするとともに、11月8・15・22日の3日間にわたってエイズ講習会「忘れていませんか?エイズの常識・非常識。」を開催させていただきました。また、エイズ関連書籍や雑誌、ビデオの閲覧や貸し出しも行っています。個人やグループでの学習用に希望されます方は保健管理センター受付までお気軽にお申し出下さい。保健管理センターホームページ では、国内外のエイズ・インターネット・ウエブサイトについての紹介もしています。同ホームページ「保健管理センターからのお知らせ」をご覧ください。

 

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