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ミレニアムの年に・・・保健管理センター設置から30年

新年明けましておめでとうございます。西暦2,000年、ミレニアムの年を迎えました。何十億年という地球の歴史からしますと2,000年もほんの一瞬ということも言われますが、生命 (いのち) に生命 (いのち) を繋いで今日の文明を成し遂げた人類祖先の努力を思います時、2,000年という時の重みを新たに感じます。悠久の時の流れを時々に区切り、1年、10年、100年、1,000年といった機会に、来し方を振り返り、進むべき方向を見定めるということも人類ならではの知恵ではないかと思われます。 国立大学 (短期大学・大学院大学を含む) における保健管理センターは、「大学における保健管理を集中的、一体的に行い、事故発生以前に学生の身体的・精神的問題を把握し、未然に疾病による修学中断を防止する (文部省)」との趣旨の下に、昭和41年から順次整備が進められ、平成11年度までに97大学に設置されました。未設置校は3校を残すのみとなり、平成12年度には香川医科大学への設置が計画されています。この保健管理センター構想は、当初から「身体的問題」とともに「精神的問題」を取り上げ、積極的な健康管理による「疾病の未然の防止」を前面に掲げておりますことから、学校保健法とともに、今日的な "心の病"の増加や予防医学・健康教育の重要性を早くから認識したものであったと申せます。 本学の保健管理センターは昭和45年に設置され、今年30周年を迎えることになりました。記録を辿りますと、現在の本部管理棟2階における業務の開始は昭和47年からで、各学部所属看護婦の保健管理センターへの集中と保健管理業務の一元化が図られましたのは昭和53年のことでした。この間、保健管理センターの業務対象者 (学生ならびに職員) の数は11,700人余 (昭和45年度) から19,300人余 (平成11年度) へと飛躍的に増加し (右図)、平成10年度には25,736人 (健康診断、再検査・精密検査以外にも9,318人) の方が保健管理センターを利用されました。 現在、保健管理センターでは学生や職員の皆様の健康の保持・増進に向けて、日々、諸種の健康診断、再検査・精密検査、救急処置、健康相談 (「からだの健康相談」、「こころの健康相談」)、健康教育、保健指導などを実施させていただいております。今年は特に、集団感染症として復活の兆しをみせる結核への対策強化が望まれています。厚生省からも昨年「結核緊急事態宣言」が出されました。本学におきましても、3年次生健康診断における内科診察・胸部X線撮影の追加や、結核啓蒙パンフレット (国立大学等保健管理施設協議会エイズ特別委員会発行) ・インターネット「保健管理センターホームページ」等を通じた啓蒙活動を展開してまいります。今秋、神戸大学が当番大学として文部省後援の下に開催させていただきます全国大学保健管理研究集会におけるシンポジウムの一つも「結核の昨日・今日・明日」と決定しました。また、医学部におきましては、臨床実習前の学生に対するツベルクリン反応検査とBCG接種の実施に向けて検討が進められています。保健管理センターでは、今後さらに2年次生健康診断における胸部X線撮影の追加により、全学の学生・職員に対する結核検診体制を整えさせていただくべく計画しておりますが、結核検診に限らず、健康診断の本質的な目的達成のためには受検率の向上が不可欠な要素となってまいります。以前にも一度取り上げさせていただきましたが、大学によっては、2年次生以降の健康診断受検率の向上を目指して、「健康診断を受検しないと、当該年度の定期試験を受けることができない」といった制度を取り入れているところもあるようです。ただ本学におきましては、受検率が著しく向上した場合に対象者数に見合った実施場所の確保に窮するという相反する課題を抱えており、今後の解決に向けて努力を重ねてまいりたく存じます。関係各位をはじめといたします皆様の御理解と御支援の程、よろしくお願い申し上げます。

 

神戸大学保健管理センター

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