ようこそ。神戸大学保健管理センターへ。

その時あなたは?・・・もしストーカーに付き纒 (まと) われたら

一人暮らしの女性などに付き纒うストーカー。女性だけでなく、男性が被害者となる場合も含め、昨年1年間に全国の警察に寄せられたストーカー被害の相談は8,000件を越えました。中には桶川事件など、痛ましい殺人事件に発展した例も見られています。大学や大学の周辺はストーカー被害の発生しやすい場所の一つで、保健管理センターにもストーカーに関する相談が寄せられるようになっています。

こうした中、本年11月、ストーカー規制法 (ストーカー行為等の規制等に関する法律) が施行されることになりました。この法律では「ストーカー行為」を「恋愛感情やその恨みの気持ちをもって、付き纒う、監視していると告げる、面会・交際を強要する、乱暴な言動をする、迷惑電話を架けたりファックスを送る、汚物などを送る、名誉を傷つける、性的羞恥心を侵害する、のどれかを繰り返すこと」としています。この法律の特徴は、被害者が裁判に持ち込まなくても、警察に申し出て相手の行為がストーカー行為だと認められれば、警察がストーカーに警告してくれることです。それでもストーカー行為が続く時は、公安委員会がストーカーの聴聞をして禁止命令を出すことになり、それにも従わない時は、かなりの刑罰が下されることになります。また、緊急を要する場合には、警察はストーカーに弁明の機会を与えずに、"仮の禁止命令"を出すこともできます。ストーカーに対する法律としてはまだまだ不十分な点もありますが、"仮の禁止命令"によって被害対策がスピードアップされることは好ましいことと言えるでしょう。

それでは、ストーカーに付き纒われたら、どうすれば良いのでしょうか。まず、はっきり言葉に出して「ノー!」の気持ちを伝えることです。ストーカーは、遠回しの表現を聞いて相手の気持ちを推し量ることができるような人達ではありません。ただ、感情的な言い方は避け、要らぬ恨みを買わないようにしましょう。ストーカーと1対1で会って話し合うことは、ストーカーの欲求をエスカレートさせ、危険です。どうしても会わなければならない時は、必ず第三者に立ち会ってもらいましょう。もし職場が同じか近ければ、自分の上司だけでなく、ストーカーの上司にも相談を持ちかけ、介入してもらいましょう。ストーカー行為の証拠になるものは全て保存し、被害の日時、内容などをメモしておきましょう。迷惑電話があれば必ず録音しておきましょう。そして、今回のストーカー規制法を活用し、早い時期に警察に相談することも大切です。

ストーカーの被害者は、「怖くて外出できない」、「悪夢を見る」といった心的外傷後ストレス障害 (PTSD) になることがあります。また、ストーカーの中には精神疾患が疑われる場合もあります。保健管理センターでは精神神経科医とカウンセラーが「こころの健康相談」を受け付けています。手紙や電話による相談も受け付けていますので、ストーカー被害に遭われたり、「自分のしていることはストーカー行為ではないか」とお悩みの方がいらっしゃいましたら、気軽に御相談下さい。一緒に問題解決の方策を考えてみたいと思います。

神戸大学保健管理センター

〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1番1号
TEL:078-803-5245    FAX:078-803-5254