ようこそ。神戸大学保健管理センターへ。

「新世紀 (あす) の保健管理をめざして」・・・全国大学保健管理研究集会の話題から。

来たる10月18 (水) ・19 (木) の両日、神戸大学が当番大学となり、文部省後援の下に全国大学保健管理協会主催、第38回全国大学保健管理研究集会が神戸市において開催されます。今年の共通テーマは「新世紀の保健管理をめざして」。西塚泰美、本学学長による特別講演の他、種々のシンポジウムや教育講演、一般研究発表が予定されており、今世紀から来たるべき新世紀に向けてのフィジカル・ヘルス、メンタル・ヘルス両面の課題や、大学保健管理センターが国民福祉の向上など社会に向けて寄与しうる今日的・将来的な役割についての討議が進められてまいります。プログラムの中から主なものを取り上げてみますと・・・

第一日目、シンポジウム (Ⅰ) のテーマは「キャンパス・セクシュアル・ハラスメントをめぐって」。"他の者の意に反する性的言葉や行動"と定義されるセクシュアル・ハラスメントは、個人の尊厳や人格を傷つけ、大学においては学生の学習・研究活動の権利や、教職員の就業の権利を侵害し、教育・研究環境を著しく悪化させます。今回のシンポジウムでは、大学におけるセクシュアル・ハラスメント (キャンパス・セクハラ) の防止や、被害者の救済活動に携わって来られた方々をお迎えし、心理相談、女性の人権、法律、防止ガイドライン作成といった観点からキャンパス・セクハラに対する認識を深めてまいります。

また、シンポジウム (II) のテーマは「結核の昨日・今日・明日」。我国における結核の新登録患者数 (その年に新たに患者として届け出のあった数) は、昭和26年の年間約60万人から平成8年に 42,472人にまで減少しましたが、その後は増加傾向に転じ、昨年7月には厚生省から"結核緊急事態宣言"が出されるに至りました。このシンポジウムでは、最近の結核の特徴や X 線・ツベルクリン反応検査による結核検診、結核患者発生時の大学の対応などについて議論していただきます。

教育講演 (I) のテーマは「第3ミレニアムの健康福祉コミニティづくりと大学の役割」。"21世紀は人間生活の質 Quality of life (QOL) の向上を主体とする健康・福祉システムの構築に加えて、Quality of Community (QOC) の街づくりが必要"との観点から、新世紀の社会における大学保健管理センターの果たす役割について、本学名誉教授で糖尿病教育学習研究所理事長の馬場茂明先生に御講演いただきます。

第二日目、教育講演 (II) のテーマは「アパシー研究のその後」。アパシーというのは無感動、無感情といった意味で、30年以上も前に、知的水準の高い大学生にも起こりうる現象として着目し、"スチューデント・アパシー "という概念を提唱された名古屋大学名誉教授で桜クリニック院長の笠原 嘉 先生からその後の研究についてのお話を伺います。

一般研究発表では、健康診断、健康管理・健康教育、疾病管理・疾病予防、実態調査、精神保健、留学生の問題といった種々の話題を巡って、各大学における取り組みについての発表と討議がなされ、大学における保健管理の一層の充実と発展が図られてまいります。

興味をお持ちの皆様の御参加につきましては、保健管理センターもしくは研究集会運営委員会事務局 (学生部厚生課内) までお問い合わせください。

神戸大学保健管理センター

〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1番1号
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