◆HIVとAIDS
エイズ (AIDS=Acquired Immuno-Deficiency Syndrome:後天性免疫不全症候群) はヒト免疫不全ウイルス (HIV=Human Immuno-deficiency Virus) に感染することによって起こります。しかし HIV感染者になっても、エイズを発症するまでエイズ患者となるまでの5~15年間は全く無症状で経過し、検査を受けない限り本人も周囲もそれと気付くことはありません。この「無症候性キャリア」と呼ばれる期間中も他への感染力を有することが HIV感染者やエイズ患者の増加につながっているのです。
◆日本におけるHIV感染者とエイズ患者
厚生省エイズ動向委員会の報告による我が国のHIV感染者の累計は、平成12年10月29日現在 5,226人 (下表) で、未だ検査を受けていない者も含めた数はこの5.1倍 (約26,600人) に上ると推計されています。エイズ患者の累計も2,503人に達していますのでHIV感染者とエイズ患者の合計は約29,100人となり、統計上 HIV感染者とエイズ患者が一部重複カウントされていることや、既に死亡したエイズ患者 (1,200人) が含まれていることを考慮しましても、日本では既に人口約4,600人に1人の割合で HIV感染者やエイズ患者が存在するということになります。もちろん地域差はありますが、おしなべて考えますと、「神戸大学規模 (学生・職員の合計約19,000人) の集団では4人程度の HIV感染者とエイズ患者が存在する」という勘定になります。世界的には現在約3,400万人の HIV感染者とエイズ患者が存在し、既に1,600万人以上の人々がエイズによって死亡しています。
◆国際エイズデーとエイズ講習会
12月1日は「国際エイズデー」で、今年も世界中でさまざまなエイズキャンペーンが繰り広げられました。神戸大学においても新入生健康診断時に「HIV/STDハンドブック2000」を配付させていただきますとともに、11月6・13・20日の三回に渡ってエイズ講習会「エイズと生きる世代のあなたに・・・エイズの常識AtoZ」を開催させていただきました。
◆HIV・AIDSの 蔓延防止に向けて
世界においても、我が国においても、HIV感染者・エイズ患者の感染経路は「異性間の性的接触」が最も多く、蔓延防止に向けた国民一人一人の自覚が望まれています。特に性行動の活発な時期にある大学生を預かる私達にとりましては、エイズはなおさらのこと遠い存在ではありません。保健管理センターではエイズ講習会の他、エイズ関連書籍や雑誌、ビデオの閲覧や貸し出しも行っています。個人やグループでの学習用に希望されます方は保健管理センター受付までお気軽にお申し出下さい。また、保健管理センターホームページ (http://www.kobe-u.ac.jp/medicalc/index-j.html) の「保健管理センターからのお知らせ」では、国内外のエイズ・インターネット・ウェブサイトについての紹介もしています。気になる点のおありになる方は保健管理センター「からだの健康相談」、「こころの健康相談」を御利用ください。
![]() [神戸大学エイズ講習会] (平成12年11月) |
[日本におけるHIV感染者とエイズ患者の感染経路別報告数の累計 |
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