ようこそ。神戸大学保健管理センターへ。

もうすぐ春です!・・・スギ花粉症です

暦の上では立春も過ぎ、本格的な春の訪れを心待ちにする頃となりました。この時期、憂鬱なこととといえばスギ花粉症。代表的なアレルギー性疾患の一つで、我が国では今や10人に1人が患うというれっきとした"国民病"。しかも毎年、患者数は増えているといわれます。

◆今年のスギ花粉の飛散数

くしゃみ、鼻水 (鼻漏)、鼻づまり (鼻閉)、目のかゆみ・・・と、あの鬱陶しい症状の元ともいえるスギ花粉 (図1)。毎年春の飛散数は、スギの雄花が芽をつけ始める前年7月から8月にかけての気温や日射量、降水量などから予測されています。今年の飛散数は、気温と日射量からの予測によれば期間中に1cm2当たり3,000個とされ、前年の大量飛散による樹木の弱化から1,800個程度にとどまるとの予測もありますが、いずれにしましても過去5年間で昨年 (同3,770個) に次いで2番目に多くなるとのことです1)。

◆高価なマスクより安価なガーゼマスク

花粉症の自衛手段としてポピュラーなのは、なんといっても花粉を吸い込まないためのマスクと、花粉の眼への侵入を防ぐメガネでしょう。このマスクについて、高価なマスクが必ずしも花粉がよく取れる (花粉捕集率が高い) とは限らないとの報告があります (図2) 2)。また、高価なマスクは往々にして空気を吸い込む時の抵抗 (吸気抵抗) が大きくなり、呼吸がしにくくなりがちです。安価なガーゼマスクに普通の薬局で市販されている滅菌ガーゼ (ケーパインガーゼなど1枚づつ分包されているものが便利です。) を2枚程度重ねて用い、滅菌ガーゼを使い捨てにするのが衛生的で得策のようです。室内では空気清浄機 (特に静電式空気清浄機) も広く用いられるようになってきました。

自動視力計による視力検査
(図1) スギの雄花とスギ花粉
(東邦大学薬学部、佐橋紀男氏撮影)

?(図2) 各種マスクの性能比較2)

 

◆増える治療の選択肢

こうした自衛手段で症状が治まらない方には、内服薬や点鼻薬、点眼薬が用意されており、症状の種類や強さに合わせて用いられることになります。現在ではその種類も増え、ケミカルメディエーター抑制薬、ヒスタミンH1拮抗薬 (第一世代と第二世代)、トロンボキサンA2阻害薬、ロイコトリエン阻害薬、Th2サイトカイン阻害薬、局所ステロイド薬などがあり、選択の巾が拡がっています。また、減感作療法や手術といった方法が勧められることもあります。保健管理センターにおける「からだの健康相談」では、内科医による毎日の相談の他に、予約制による耳鼻咽喉科医や眼科医 (他に整形外科、皮膚科、放射線科、産婦人科の医師) による相談を受け付けています。耳鼻咽喉科は毎月第2水曜日、眼科は毎月第4金曜日です。自分に適した治療法は何なのか?相談や病・医院への紹介を希望されます方は、早めに御予約の上、御利用ください。

神戸大学保健管理センター

〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1番1号
TEL:078-881-1212(内線5245) 078-803-5245(ダイヤルイン) FAX:078-803-5254