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一緒に考えましょう!・・・「心の傷」と「心の病」

心的外傷後ストレス障害 (PTSD) ということが、大阪教育大学附属池田小学校における児童殺傷事件の際にも話題になりました。事件に遭遇した子供達が“心”に“傷”を受け、その後も悪夢を見たり、何物かに怯えるような様子を見せているとのことです。 

「心の傷」は誰もが受ける可能性

我が国で「心の傷」という考え方や、その治療がとても大切であるという認識がなされ始めたのは、平成7年の阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件を通してのことでした。今では「心の傷」に対する理解も深まってきています。「心の傷」が重かったり、「心の傷」を癒す充分な環境が得られない時に、心的外傷後ストレス障害 (PTSD) をはじめとする「心の病」が生じてくることも広く知られるようになりました。そして、「心の傷」はこうした大事件のみならず、日常茶飯のありふれた環境の中で、誰もが受ける可能性のあることなのです。

「心の傷」と「心の病」

「心の傷」は自然に治ることも多く、それは誰もが持つ"心の"自然治癒力によるものであったり、人と人とのつながりの中から生まれる"癒し"によるものであったりします。「悲しかったこと」や「辛かったこと」を家族や友人に話すことによって、気持ちが楽になった経験をお持ちの方も多いことでしょう。しかし何らかの理由で"心の"自然治癒力が働きにくくなったり、他からの"癒し"が得られなくなることがあります。例えば、「心の傷」が罪悪感や恥といった感情と結びつきますと、人は、その「心の傷」を他の人に打ち明けにくくなり、結果として他からの癒しを得ることが難しくなります。「心の傷」が"秘密"になった時、その傷は心全体を蝕み始め、やがて「心の病」となって、日常生活や対人関係にも困難を生じるようになることがあるのです。

気楽に「こころの健康相談」へ

とはいうものの、「心の傷」は誰にでも話せるといった性質のものとは限りません。場合によっては、他の人に伝えることで新たな傷を作ってしまうこともあります。あなたの中で癒されない「心の傷」が疼いている時、保健管理センター「こころの健康相談」をご利用ください。精神神経科医やカウンセラーがあなたの心の声に耳を傾け、あなたと共に、あなたの心を整理するお手伝いをいたします。どんなことでも一人で抱え込まず、気楽に相談してみてください。手紙や電話での相談も受け付けています。

保健管理医 (精神神経科)
細 澤  仁
ほそざわ じん

先生をご紹介します。 昭和63年京都大学文学部、平成7年神戸大学医学部卒業。神戸大学医学部附属病院、高砂市民病院、幸仁会阪本病院、愛仁会高槻病院精神神経科勤務を経て、平成13年4月より小林俊三医師の後任として神戸大学医学部 (精神神経科学講座) 助手、および現職併任。日本精神分析学会、日本思春期青年期精神医学会、日本心理臨床学会、日本精神神経学会に所属する精神療法のエキスパートです。

どのような悩みも受け付けます。

ぜひ一度ご相談ください。

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