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安全な科学実験を!・・・保護メガネ・保護手袋などの着用で

最近、科学実験中にケガをする方が増えています。化学薬品による角膜や皮膚の損傷、ガラス器具の破損による手指の外傷などです。幸い、失明をはじめとする重篤な後遺症を残すには至っていませんが、負傷者のほとんどは実験初心者で、自ら扱う化学薬品や実験器具・装置の危険性について充分に認識されていない方が多いようです。

◆外傷処置を目的とする利用者の10人に1人は科学実験中の負傷者

平成13年度に保健管理センター「からだの健康相談」を利用された方は 5,388人 (他に「こころの健康相談」1,762人) で、外傷処置を目的とする利用者は 587人でした。その内、科学実験中の負傷によるものは 69人 (11.8%) で、体育実技中 (21人) や課外活動中 (44人) の負傷によるものを上回っています。

◆化学薬品による負傷と、実験器具・装置による負傷

化学薬品による負傷では、遺伝子を扱う実験の増加を反映してか、従来の酸・アルカリに加えてフェノールなど蛋白変性作用を有する薬品による負傷が目立つようになってきています。6月末から7月上旬にかけても、フェノール・クロロホルム液による角膜損傷の例と、前腕部の広範な皮膚炎 (化学火傷) の例が発生しています。また実験器具・装置による負傷では、劣化したガラス器具が操作中に破損して手指に刺さったり、手指を切ったりといった例が多いようです。

保護メガネ(標準タイプ) 保護メガネ(ゴーグルタイプ)
保護メガネ(標準タイプ)
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保護メガネ(ゴーグルタイプ)
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保護面
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保護手袋
〔定価:100枚入1,000円前後~〕

◆科学実験中は"保護メガネ"や"保護手袋"などの着用を!

こうした科学実験に伴う負傷の中にはちょっとした工夫で防ぐことができるものも数多くあります。例えば、保護メガネ (図、左上、右上) を着用すれば眼の負傷のほとんどを防ぐことができますし、顔面全体を覆う保護面 (図、左下) もあります。また保護手袋 (図、右下) を着用すれば、最も頻度の高い手指の負傷を減らすことができます。現在では科学実験の用途に合わせて、一般的なものの他、種々の保護メガネ・保護面や保護手袋が市販されるようになりました。科学実験の種類によってはさらに、防塵マスクや作業衣、安全靴などの着用が役立つこともあるでしょう。

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