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"サーズ" (SARS) ! ・・・予備知識で防ぐ新型肺炎

中国南部から発生した重症急性呼吸器症候群"サーズ" (SARS: Severe Acute Respiratory Syndrome) は世界各地に広がり、世界保健機関 (WHO) への報告だけで4月15日現在、累計感染者数3,200人以上、死者150人以上に上っています。

◆主な症状は発熱、咳、呼吸困難!

これまでの調査で SARS の原因は新型のコロナウイルスであることが判明し、このウイルスは "サーズウイルス" (SARS virus) と命名されました。 症状はインフルエンザに似て、感染すると3~5日の潜伏期間の後に、38℃以上の急な発熱、咳、息切れ、呼吸困難、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感、食欲不振、下痢などが起こります。発疹を伴うこともあります。約80%の患者は1週間程度で軽快しますが、重症化すると死に至ることもあり、感染致死率が高いのが特徴です。

◆広がる流行国や流行地域

SARSの感染者の報告があるのは現在のところ中国本土*、香港*のほか、台湾*、シンガポール*、ベトナム*、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンといったアジア諸国、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、アイルランド、スペイン、スイス、スウェーデン、ルーマニアといったヨーロッパ諸国、アメリカ*、カナダ*、ブラジル、クウェート、南アフリカなどで、*印の国々では特に多くの患者が発生しています。

◆感染経路は飛沫や体液

SARS は患者の咳・くしゃみに伴う飛沫や体液を介して感染すると考えられています。従って、マスク (特に N-95 マスクのような捕集効率の高いマスク) (左図) を着用したり、含嗽 (うがい) ・手洗いを励行することによって感染の危険性を減らすことができます。しかし、なんといっても SARS の流行国や流行地域へ立ち入らないのが一番の予防策で、不要不急の渡航は避けるのが賢明です。

N-95 マスク

◆疑わしい時はSARS対応病院へ!

流行国や流行地域から帰国した後 (あるいは SARS の疑いのある患者と接触した後) 10日以内に前記の症状が出現した時は、他との接触を避け、ただちに SARS 対応病院 (兵庫県は下記の神戸市立中央市民病院) に連絡を取り、診察を受けてください。連絡を受けた病院では、他の患者とは別の診察室を用意したり、医療スタッフにマスクやガウンを着用させたりといった受け入れ体制を整えます。SARS を不治の病のように考えて必要以上に恐れる必要はありませんが、正しい知識を身につけて、効果的に SARS を予防しましょう。SARS に関する最新情報は次のインターネット・ウェブサイトでも得ることができます。

 

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