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ベストコンディションで血圧チェック!・・・家庭用自動血圧計を貸し出しています

今年も9月9日から11日までの3日間、職員一般定期健康診断が行われます。昨年の職員一般定期健康診断で高脂血症 (コレステロールや中性脂肪の高値) と並んで最も多く発見されたのは血圧の異常でした (注1)。

◆収縮期血圧・拡張期血圧は心臓が収縮・拡張した時の動脈圧

血圧は一般に、上腕部に圧迫帯 (マンシェットといいます) を捲き、その中に空気を送って上腕動脈を圧迫する方法で測定されます。圧迫帯内の圧を上げ、その後ゆっくり下げてくる時、拍動音 (Korotokoff音といいます) が聞こえ始める時点の圧が収縮期血圧 (最高血圧)、聞こえ終わる時点の圧が拡張期血圧 (最低血圧) です。拍動音は聴診器で聞き取りますが、家庭や健康診断などで最近広く用いられている自動血圧計では内臓マイク (センサー) で聞き取っています。文字どおり収縮期血圧は心臓が収縮した時の動脈圧、拡張期血圧は心臓が拡張した時の動脈圧です。

◆"収縮期血圧 140 以上、拡張期血圧 90 以上"を高血圧症と定義

現在、世界保健機関 (WHO) でも、日本高血圧学会でも、成人の至適血圧は収縮期血圧 120 mmHg未満、拡張期血圧 80 mmHg 未満とし、収縮期血圧 140 mmHg 以上、拡張期血圧 90 mmHg 以上を高血圧症と定義しています (下表)。

分 類 収縮期血圧(mmHg)   拡張期血圧(mmHg)
至適血圧 <120 か つ <80
正常血圧 <130 か つ <85
正常高値血圧 130~139 または 85~89
軽症高血圧 140~159 または 90~99
中等症高血圧 160~179 または 100~109
重症高血圧 ≧180 または ≧110
収縮期高血圧 ≧140 か つ <90

◆高血圧症の治療は生活習慣の改善から

本態性高血圧症はただ一つの原因によるのではなく、遺伝的な素因の他、心身のストレス、塩分・アルコール・脂質・カロリーの過剰摂取、運動不足、喫煙などが複合的に関与して発症すると考えられています。従って、高血圧症と診断されたらまず生活習慣の改善を図ることが必要です。日本高血圧学会では、食塩制限 (1日7g以下)、適正体重の維持 (標準体重の+ 20 %まで (注2) )、飲酒制限[エタノールとして男性1日 20~30g (日本酒約1合) 以下、女性1日 10~20g以下]、コレステロール・飽和脂肪酸の摂取制限、運動療法 (有酸素運動、ただし心血管病のない方)、禁煙を挙げています。それでも充分な血圧の改善が見られない場合、薬物治療が開始されます

◆家庭用自動血圧計を貸し出しています!

血圧は緊張やリラックスの程度によって変動し、家庭で測定すると、健康診断や病院で測定する時よりも、25 mmHg 以上も低くなることがあります。ですから、健康診断や病院での1回だけの測定結果から、すぐに高血圧症と診断されるわけではありません。家庭などリラックスできる環境の下 (室温 20~25 ℃、例えば食後1時間頃のゆったりした気分の時) に測定された血圧が高いかどうかを調べてみることが必要です。カフェインを含んだ飲み物 (コーヒー、紅茶、緑茶など) も血圧に影響を与えます。運動や入浴後は 30 分以上たってから測定するようにしましょう。保健管理センターでは、血圧が高いと指摘された方や希望者に、家庭での血圧測定のための自動血圧計を貸し出しています (上図)。どうぞ気軽にご利用下さい。

(注1) 「医学部地区 (楠キャンパス、名谷キャンパス) の職員一般定期健康診断は別日程で行われます。高脂血症については保健管理センターだより (32) をご参照ください。

(注2) 標準体重 (理想体重) (kg) = 22 ×身長 (m) ×身長 (m)。詳しくは保健管理センターだより (33) をご参照ください。

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