保健管理センターからのお知らせ

熱中症とは

熱中症は・・

体温を平熱に保つために汗をかき、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)の減少や血液の流れが滞るなどして、体温が上昇して重要な臓器が高温にさらされたりすることにより発症する障害の総称です。高温環境下に長時間いたときの体調不良はすべて熱中症の可能性があります。

・死に至る可能性のある病態です。

・予防法を知って、それを実践することで、防ぐことができます。

・応急処置を知っていれば、重症化を回避し後遺症を軽減できます。

病態からみた熱中症

・熱中症の発症には、環境(気温、湿度、輻射熱、気流等)及び行動(活動強度、持続時間、休憩等)とからだ(体調、性別、年齢、暑熱順化の程度等)の条件が複雑に関係します。

・熱中症の重症度・緊急度から見れば、熱中症[heat illness]はⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類されます。

・熱中症は4つの病型に分類されます

熱失神:皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳への血流が悪くなることにより起こります。

熱けいれん:大量に汗をかき、水だけを補給して血液の塩分(ナトリウム)濃度が低下した時に、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんが起こります。

熱疲労:大量に汗をかき、水分の補給が追いつかないと、身体が脱水状態になり熱疲労の症状がみられます。

熱射病:体温上昇のため中枢機能に異常をきたした状態です。意識障害(応答が鈍い、言動がおかしい、意識がない)がみられたり、ショック状態になる場合もあります。



体温調節反応と熱中症の病型
熱中症環境保健マニュアル 2022 p5より引用

熱中症を疑ったときには何をするべきか?

① 涼しい環境への避難

・ 風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている室内等に避難させましょう。

② 脱衣と冷却

〈意識障害がある場合〉

・冷却をできるだけ早く行うとともに、救急車を要請することが必要です。

〈軽症、中等症の場合〉

・まず、涼しい場所に移し、衣類を緩め、水分と塩分を補給します。

・また、皮膚を濡らしてうちわや扇風機で扇いだり、氷やアイスパックなどで冷やすのもよいでしょう。

・自動販売機やコンビニで、冷やした水のペットボトル、ビニール袋入りのかち割り氷、氷のう等を手に入れ、それを前頚部(首の付け根)の両側脇、腋窩部(脇の下)、鼠径部(大腿の付け根の前面、股関節部)に広く当てて、皮膚直下を流れている血液を冷やすことも有効です。

・最初から症状が強い場合、嘔気・吐き気などで水分補給ができない場合、処置しても症状がよくならない場合には、病院に搬送します。

③ 水分・塩分の補給

・冷たい水を持たせて、自分で飲んでもらいます。(冷たい飲み物は胃の表面から熱を奪います)

大量の発汗があった場合には、汗で失われた塩分も適切に補える経口補水液やスポーツドリンク等が最適です。また、食塩水(水1ℓに1~2gの食塩)も有効です。

④ 医療機関へ運ぶ

・自力で水分の摂取ができないときは、塩分を含め点滴で補う必要があるため、緊急で医療機関に搬送することが最優先の対処法です。

熱中症環境保健マニュアル 2022 p26より引用

※ 学内で熱中症を疑う場合は、保健管理センターに連絡する(連絡先:078-803-5245)と共に、 上記の対応をして下さい

日常生活での熱中症予防のポイント

①こまめに水分・塩分を補給する。

②エアコン・扇風機を上手に使用する。

③シャワーや濡れたタオルで身体を冷やす。

④部屋の温度・湿度を計る。

(室温28度以下、相対湿度60%以下が目安)

⑤ 暑いときには無理をしない。

⑥ 涼しい服装にする。外出時には日傘、帽子を着用する。

⑦ 部屋の風通しを良くする。

⑧ 緊急時・困った時の連絡先を確認する。



[参考]

厚生労働省 熱中症関連情報  (熱中症予防リーフレット、熱中症診療ガイドラインなど)

  • https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/
  • 環境省 熱中症予防情報  (暑さ指数(WBGT)予報、熱中症環境保健マニュアル、熱中症予防リーフレットなど)

  • https://www.wbgt.env.go.jp/

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